けでしゅと・れんの戯れ言

現役バンドマンによるバンド運営のノウハウやテクノロジーに関すること、新しい情報の紹介ブログ兼QEDDESHETボーカルの個人ブログ

台風でライブイベントを中止すると何が起こるのか

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こんにちは。REN(@REN_QDST)です。
2018年9月末に起きた、台風によるイベント中止の裏側というか、ちょいと業界の裏話的な現実的な話します。実際には、台風によってイベントを中止すると、何が起きるのか、という話。


2019年以降も夏~秋は台風を直撃する可能性が高いので、ちょっとイベント制作側の痛みも知ってほしいなということで、記事に書き起こします。音楽イベントでそういうの見たくない人はそっ閉じでお願いします。


2018年9月末の事例

2018年9月最後の土日、台風24号のせいで、ライブイベントの中止が続出しました。
東京の到着時間の予報みる感じギリいけそうだなーどうなろうなーという悩ましい状況。
東京では日曜日の夜中から明け方にぶつかる見込みで、イベント運営側としては一番悩むところでしょう。

で、そんな中、決行する見込みが多い中、JR東日本が異例の20:00で電車止めちゃうよ告知。


ここから、一気にイベント開催中止の報告が溢れました。
東京の音楽事情的に山手線やその他JRが死ねば、ほぼ大半のライブハウスではお客さんがライブに来れなくなるからです。まああとスタッフも帰れなくなります。

で、決行するとしていたイベントもその流れを受けて中止せざるを得りました。
そこにはまあ中止せざるを得ないというか、横の足並み揃えないともろもろやばいみたいな、そんな空気感もありつつ。
日本人感あるなぁと思ったりしていました。

というか、お客さんの安全面を考えればイベントは中止にしたほうがいいんですよ。そんなことはみんなわかっている。

中止の決断が簡単にできない理由

じゃあ、なんでなかなか中止の決断ができないか。


まず、そのイベントが特別なイベントであった場合、その日にしかできないイベントだった場合、やっぱり簡単に決断はできません
ただのレコ発イベントや主催なら繰り越せばいい。もし、季節的なイベントだったりとか、最悪1年後にできるかもしれない。

しかし、例えばその日以降二度とできないイベントである場合なんかは、中止の決断ができないです。
解散ライブだったりなんかがそれにあたりますね。


演者の気持ち的に今日で最後!と思っていたのに中止で振替とか、気持ち的にも環境面的にもなかなか難しい

物理的には可能です。今日だめなんで来月にしまーすとかね。でも、気持ちはそんなに簡単じゃない。解散とか活休ライブって、もう糸を何とか繋いで、お客さんのためになんとか最後まで気持ちを繋いでる状態なんです。その状況で、延期は正直なところ、きつい。



また、バンドの主催ライブなんかは、半年以上前から取り組むことが多い
半年以上前から、その日1日を作る為に動いている。挨拶回りをしたり、連絡をとってスケジュールを調整してもらったり、そしてメンツが決まればその日を最高な日にするために宣伝して練習する。スタジオに入ってその日のための練習をする。


そうやって半年以上かけてコツコツ作り込んできたものを、理不尽な自然災害のために中止せざるを得なくなるというのは、簡単に決断できることではありません。


バンドやアーティストは有名になればなるほどスケジュールもしっかり組まれていて、半年から1年先までスケジュールが決まっているバンドがある。そんなバンドが一同に介するのは、奇跡に等しい
だから、今日中止だから来月ね!とか簡単にできるもんじゃないんです。遠征バンドとかだと尚更そうなります。


れが良いイベントであればあるほど、中止に躊躇するそんなイレギュラーがあれば、間違いなく成功していたという自負があるから。
2018年の大冠祭やぴあフェスなんかが間違いなくこの類。大冠祭は、19:30で終演するというかなり強引な手段でイベントを敢行していたし、名古屋のイベントでは夕方前まででタイムテーブルを強引に終わらせるという手法に出ていました。


これは、まさしくこういった主催者の葛藤が顕著に表れている。
電車止まるから中止にしよう!って簡単に割り切れるほど、イベントというのは簡単ではないのです。
実際に電車が止まりそうで風やばいって状況なら中止できます。
けど、「え?これでほんまに止まるの?」って思うレベルの気候で中止なんて、なかなかできないんです。


中止すると何が起きるのか

ここから本題、「中止すると何が起きるか」
お金が発生します。結局金かよって思うけど、金です。


多分イベントって中止したら、学校の発表会や会社みたいにただただ中止して終わりって思ってる人が多い。


でも、現実的にどんなことが起こるかというと、ライブハウスでいうと、
「主催者は箱にお金を支払わなくてはならなくなる」のです。

もともとホールレンタル料金を支払って企画は組まれているので、台風でなくなったからと言って、じゃあ払わなくていいよってことにはなりません。ライブハウスもお店を経営しなければなりません。そうしたいのは山々ですが、ちょっとはお金を取らないと苦しいんです。
全額ではないにしろ、その何割かは支払わないといけません


そう、主催者もライブハウスも大赤字なんです。


本来、バンド主催イベントなどのホールレンタル料金はその日の売り上げで賄われます。
しかし、その日のイベントが中止になれば、売り上げ0です。
で、ライブハウスも少しでもお金もらわないと、経営ができません。


渋谷や新宿では、ライブハウスの維持費/日は10万ほどかかるそうな。もちろん、規模や立地によりけりですが。そこにスタッフの人件費とかがかかってくるので、台風だからいいよーなんていうと、運営できなくなります。
なので、赤字です。

【考えられる赤字】

  • ホールレンタルの一部は支払わなくてはならない。
  • ギャラが必要な出演者にはギャラも払わないといけない。
  • チケットの払い戻しとかも必要。
  • ライブハウスもドリンクなどの収益を得られない。
  • 得られるはずだった収益がなくなる。
  • 出演バンドもサポートミュージシャンにギャラが必要ならギャラの最低保証金額は支払わないといけない。



そう、みんなすごい赤字なんですよ。イベント中止するとね。
だから中止を躊躇う。
少しでもお客さんが来れば、その赤字は少しでも解消される。
そういった事情から、例え時間が短くなっても開催を決断する。

他にもお金が絡んでくる問題がある。
例えば、その企画の売り上げを、未来に投資予定だった場合


その企画の売り上げを自転車操業的に次の企画や活動に充てるつもりだったのに、それに充てれなくなった場合、完全に詰まる
そっちが開催できない、詰まるだけだったらいいけど、すでに計画が走り始めていたら、赤字が膨れ上がる


活動が頓挫してしまう可能性だってあるのです。
自転車操業で活動するとか無計画すぎワロタwwって思うかもだけど、バンドって割とそれで動いてるとこが多い。金食い虫だし。お金みんなないし。外タレのプロモーターとかまさしくそんな感じの自転車操業だしね。


まあ、大体こんなことが起こるわけ。
だからって別に何かしろってわけではありません。
ただ、断腸の想いでみんな中止してるんです。


そこを理解せずに、簡単な気持ちで「中止しろ」とか「中止しない主催者はクソ」とか「対応おせえ」とか言うのはね、もうちょっと人の気持ち考えようよ。


そして、もし台風などの天災で中止になった企画で振替みたいなものがあれば、応援してあげてほしいと思います。
振替公演ってその分赤字になる可能性高いんだけどさ、それでもファンに届けたいものがあるからやるものだから。



以上、音楽イベントの裏話でした。
2018年9月末の台風では、知り合いのライブハウスのスタッフが心ない演者に悪く言われていたり、あまりに中止した人の心境わかってなさすぎる書き込み多かったので、書きました。

天災は誰も悪くないんだよ。
わかってるはずなのに、誰かに当たってします。
悲しいね。

そして、2019年10月12日から14日でも関東に台風直撃の予報が出ている。
色んなイベンターやバンドが断腸の思いでイベントを中止すると思います。
そんなときは暖かい言葉で応援してあげて下さい。
宜しくお願い致します。

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