けでしゅと・れんの戯れ言

現役バンドマンによるバンド運営のノウハウやテクノロジーに関すること、新しい情報の紹介ブログ兼QEDDESHETボーカルの個人ブログ

思い描いたバンド像と未来を見出せなくなるバンドマン--既存のサクセスストーリーを疑問視

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KRADさんの解散にめっちゃショックを受けてるREN(@REN_QDST)です。曲も雰囲気も好きだったんですけどね…残念です。



『思い描いたバンド像になれない』
これ最近凄くよく聞く話です。
すごいかっこいいのに、これが理由で解散してしまうバンドは多い。特にV系界隈で多いかな。
決してそのバンドのレベルが低いわけではないし(むしろ高い)、かっこいいし、なんで?って思うバンドさん凄い多いんですよ。
多分いくつか原因があって、僕なりに考えてみました。良いバンドが疲弊していくのって、やっぱり見ていて嫌だし。

既存のサクセスストーリーが現代に合致しているのか?という問題

V系界隈っていうのは、割とサクセスストーリーが決まっています。
これの次はこれ、ここでやったらここ、というように、階段が見えています。
自分が身近で見ていた先輩バンドがその道を歩んでいて、その階段を作ってくれているので、道の進み方が見えやすいんですね。エモ界隈、J-ROCK界隈との大きな差だと思います。

ただ、昨今はそのサクセスストーリー通りに進もうとしても進めない、背伸びして望んでみるも、結果がついてこずに身が保たない。
収支の割りが合わなくてしんどくなる。

そこで疑問に思うのは、『そのサクセスストーリーは現代においてもサクセスストーリーなのか?』という問題。

おそらく、V系界隈におけるサクセスストーリーという、2010年頃までの”やり方”を模範としているように思います。
大体はワンマンの規模を大きくしていく感じですね。MVの露出というものが加わったものの、ワンマンの規模をあげていくことがサクセスストーリーという感じはとてもあります。
そのためにライブをめっちゃやる、動員を増やす、ワンマンをこなす、会場のランクをあげる、というようなものがある(+MV撮影)。

で、2010年くらい(もうちょっと先かもしれないけど)までは、これの通りにやっていれば、バンドの実力がそこそこあれば結果がついてきた。
が、昨今ではそれをやっても結果がついてこない。
それはきっと自分たちの実力や営業が足りないからだ、と戒めて、自分の身を削ってもっと頑張る→多少は上がるけど、苦労のわりに結果がついてこない、というのが現状な感じがする。あくまでも傍目に見ていてだけど(で、そんな苦労の合間には面倒な客も現れて知らない間にファン同士でもめてる、などもある)。
結果、消耗していって続けられなくなる。

でね、思うんだけど、これバンドが悪いわけじゃないと思う。
そもそものサクセスストーリー自体が既にかなり難易度が高いものになっているんじゃないかってこと。
いや、昔も難易度高いのはわかります。楽な道じゃないです。ただ、割と非現実的になっているレベルでキツくなっているのではないかなと思うわけです。

で、それを確信したのが僕の以前のツイートがこれ。


これ2017年くらいのデータなんだけども、まあそんなに誤差があるとは思わないから参考にします。

そもそもの『ライブに来る層の人口が減っている』という問題。
それ言ったらおしまいやんというかもしれないけど、そのおしまいさが問題なんです。
特にバンギャルさんが顧客のV系バンドは、10代~20代の女性がメイン層なんだけども、サクセスストーリーをサクセスたらしめるにはその層の母数が圧倒的に足りないんじゃないか、と思っている次第。

もちろん、2010年代には歌い手とボカロが台頭して、将来バンギャになる予定だった人たちがごっそり歌い手好きに流れてしまったという問題もあるのだけども、単純にファンとなり得る人の母数が減っている問題が大きいのではないかと思います。

来年の2020年に女性人口の50%以上が50代より上、2024年には人口の1/3以上が65歳オーバーになってしまうって割と絶望する数字じゃない?

こういったライブハウスに足を運ぶ若年層の母数を考えると、これまでサクセスストーリーだと思っていたそのサクセスストーリー自体が難易度高すぎる無理ゲーになっているのではないか、という推察です。
で、この母数問題を考えると、バンドが疲弊する理由も見えてくるんですね。

・ライブやりすぎ問題

V系バンドは大体月4~6本ライブやります。ライブの数増やして、既存客と会う回数を増やすことで親しみをもってもらうことと、初見の人を取り込むことで、動員増やすことが過去のセオリーだったからです。
ただ、多分それが『当たり前』としてやっているからみんなやっているだけで、本当は『割としんどいな』と思いながらやっているんじゃないかな。
で、ライブしてるわりに結果ついてこなくて消耗する、みたいな。

たぶんみんな「自分たちの努力足りないから数字伸びない!」と思いがちなんだけども、『そもそも母数が少ないから数字を伸ばすのキツイ』というもっと根源的なものが問題。
ただでさえ少ない牌を取り合っている感じ。

余談ですが、ケデはライブ本数多い時で月2~3とかだったんですけど、それでも少なすぎ!と周囲のバンドから言われました。月5くらいやれよ、それ以下は趣味だ、と。まあそんな感じのことを言われていたし、僕自身のその焦りもあってやれるだけやってた。が、どう考えても月2以上やるとしんどかったし、月2でも色々しんどかった。新曲に回す時間がなくなるしセトリも単一的になる。で、今年からごっそり減らす方向に切り替えました。そのお陰で気持ち的にだいぶ楽になりましたけどね。これが正解かはわかりません。

・会場のグレードアップが現実的ではない

ワンマンで成功を収めていくにつれて、会場のグレードを上げていくのがサクセスストーリーという感じで暗黙の了解で定義つけられています。ただ、さっきも言った通り母数が減っているので、グレードアップさせてもその分が増やせない。努力しているのに階段を踏み外す。
有名なバンドさんみていると顕著ですけども、少し前までホールクラスでワンマンやってたバンドさんが徐々にライブハウス規模でワンマンやるようになってきてる。多分、これは下も上も根本的に抱えている問題が変わらないんじゃないかな、と思いました。

上手くやっているのは0.1gの誤算さん


0.1gの誤算/敵刺す、テキサス(MV Full)
その中で、邪道進んでいるように見えて王道のサクセスストーリーを歩んでいってるのが、0.1gの誤算さんではないかと思います。ごさんさんってなんか変な読み方ですけど。笑
色々大人の事情もある噂も聞きましたが(詳しくは知りません)、王道歩みつつアイドルや他ジャンルと対バン→色んな客層を受け入れつつ、勢いをつけてるので、きっと彼らのやり方が最適解なのではないかなと思います。
彼らは牌の少なさを分かった上で、既存牌を手中に入れつつ、手のついていない牌も積極的に取りに行ってる感じがしますね。
言葉にするのは簡単だけど簡単にできるこっちゃないので、やっぱりすごいわけです。
0.1gの誤算さんと繋がってるわけではないので知らないですけどね。ただ、傍目で見ているとそんな印象でした。実際勢いあるのは間違いないですしね。

サクセスストーリーが多様化する

これまで王道とされてきたサクセスストーリーが実は本当に王道なのかと疑うぐらいしんどい、というのがわかると、多分それぞれが自身のバンドにあったサクセスストーリーを作る必要があると思います。
それを示してくれる大人がいるのであれば、その大人についていくのもいいし、それがいなければ、自分でゴールを定めるしかないです。
難しい時代ですね。
何がゴールで何が正しいサクセスストーリーなのかなんてわからないですし、0.1gの誤算さんのやり方したところで上手くいくとは限らないですし(つーかうちは真似すらできない)。
きっと彼らは自分たちの特性を理解してそのゴール付けをしっかり行った上で、過程まで計算してたんじゃないかなと思います。その過程に0.1g程度の誤算はあったのかもしれないけれど、実際始動から勢いやばいなーと思いながら眺めていました。

僕たちは自身に合った活動の仕方を今年は再考する時かなと考えています。
色々考えていきますね。
全然答え出てなくてすみません。そんな答えがわかってりゃ苦労せんわ、という話です。笑
地道に頑張ります。

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